vol.7 EARTH

 世の中には多くのコーチングフィロソフィーやメソッドが出ています。「こんな考えもあるのか!」、「こういう解決法もあるのか!」など、常に新たな発見があるものです。この連載でもテクニカル面における我々の考えも掲載する予定です。まずはそれらの前段階となる選手としての土台作りを紹介します。
 ファンルーツで大切にしているのが「EARTH」です。これはEnjoyActiveRespectThoughtHumorの頭文字を取ったものです。それぞれの言葉に込めた想いをここでは紹介しましょう。


ENJOY

 これはすべての原点です。何ごとにおいても楽しめなければ長続きはしません。特に子どもたちにとっては、心から楽しい、好きと感じることが重要です。サッカーが好きになれば中学生や高校生になったころに顔を出す「サッカーの厳しさ」にも対応できるものです。そうなればバーンアウトせずに苦しい時期を乗り越えられると思います。このような楽しい、好きという心を育むのはジュニア年代の影響が大きいものです。


ACTIVE

 サッカーが好きになってくると「もっと上を目指そう!」という気持ちが高まり積極性が出てくる。積極性が出てくるということは向上心が芽生える。つまり大小はあるものの常に自分の中で目標ができるのです。サッカーは世界規模の人気スポーツでもあるので、目標の限界というものはないとと言っても過言ではないでしょう。子どもたちが現状に満足することなく、大きな夢や目標を抱き、常に上を目指して挑戦をする気持ちを持ち続けること。それこそが成長の一番の源です。


RESPECT

 ​サッカーはひとりでは成り立たないスポーツです。仲間、対戦相手、コーチ、レフェリー、保護者、大会運営スタッフ、クラブスタッフ、施設管理者、サポーター、用具、競技規則などの全てが繋がり、試合を成立させるために欠かせません。それらひとつひとつに感謝し敬意を払う。リスペクト。スポーツだけに限らず、人生でも大切なことです。
 FIFAをはじめ、世界各国のサッカー協会でもリスペクトをキーワードに、フェアプレー精神を共有し、差別や暴力に断固反対するメッセージを広く伝えています。


THOUGHT

 サッカーにはプレーの原理原則がありますが、正解はないと言われています。特に攻撃についてはなおさらです。監督は試合中に多くの指示やアドバイスをしますが、最終的な判断は選手に委ねられます。状況に応じて瞬時に考え、選択と判断をする。そしてミスを恐れずにトライアンドエラーを繰り返す。
 しかし時には行き詰まる時がやってくるでしょう。その時は、周りの意見に耳を傾け、その情報を自分自身で処理をして解決の糸口を探るという、オープンマインドも必要となります。
 まずは常に恐れずに考え続けること。それが成長の第一歩です


HUMOR

 人はひとりひとり性格はもちろん、得意なこと、苦手なこと、好きなこと、嫌いなこと、趣味など違います。個性とは他の人にはないその人だけの性質。つまり「その人らしさ」です。これは他人が押し付けるものではなく、成長していくなかで自然と芽生えてくるものです。個性を伸ばすために一番大切なことは、好きなことを極めること。何かを極めることで自己肯定感を持てるようになり、積極的に物事に取り組めるようになるものです。
 サッカーはチームスポーツです。チームや競技規則などのルールや秩序のなかで自分の個性をいかに発揮するか。これは子どもたちが成長するうえで最も大切なことです。

 子どもたちの成長にとってこれらのEARTHのひとつ一つが大切な要素です。
 Save Our Mother Earth。いま現在も戦争で苦しんでいる子どもたちが多くいます。未来の地球の主役となる子どもたち。世界中の子どもたちがスポーツでつながり、助け合える環境を目指すこと。それがこのEARTHに込められたもう一つ大切なメッセージです。ファンルーツではEARTHを大切に活動します。

2024.05.12 by Jun Hirano / Funroots



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